一から順番に数字を言いながら、交互に自分の手札から一枚ずつ裏返しでカードを出していくというもの。
言った通りの数字のカードを出してもいいし、そうではないカードを出してもいい。その代わり、相手方から“ダウト”と指摘されたカードが、口にした数字とは違うカードだった場合は負けとなる。

相手の嘘を見破ればいいだけの、単純なゲーム。けれど、これが案外難しい。
田辺の底意地の悪さが、このゲームには向いているようなのだ。


「はい、それじゃあさっきから負けっぱなしの田中さん、先攻どうぞ」

「……なんかムカつく」


わざわざ“負けっぱなし”なんて言わなくてもいいだろうに。本当に意地が悪い。


「“1”」


手札をざっと見てから、真帆は選んだ一枚を裏返しでテーブルへ。田辺も同じように手札を一通り見てから、選んだ一枚を「“2”」とテーブルへ置いた。
どう見ても適当に手札から抜いたようにしか見えないが、そう見せているだけかもしれないのでここは慎重に。少しだけ悩んで、結局真帆は「“3”」と自分のカードを出した。


「あれ、今のよかったの?」

「うるさい。いいから早く」


こういうところがムカつくのだ。