「田中サンって、田辺くんと付き合ってるんですよね?」


それは暗に、岡嶋とは何もないことを確認されているのか、それとも純粋に疑問をぶつけられているのか、どっちなのだろう。
どっちにしても即答出来ずに、真帆はピザを咥えたまま固まる。

そもそも、田辺からは“好きだ”とは言われたけれど、それはイコール“付き合ってほしい”ということになるのだろうか。そうだとしたら、真帆は“わからない”と回答しているので、受け入れたことにはなっていないだろう。
つまり今の状態は――


「付き合って……ないね」


真帆の回答に、島田が驚いたように目を見張る。


「付き合って……ない?」

「ないね」


島田からの確認に、真帆は頷きと共に繰り返す。
そうやって確認されて、自分でも口に出してみて思ったが、二人の今の関係は一体なんなのだろう。名前を付けるとしたら、何が妥当なのだろう。
もちろん、高校時代のクラスメイトではある。少し前までは、同窓会の夜に色々あったという理由で、田辺は責任を取って結婚するなどと言っていたが、事実が判明した今、それは無効だろう。