ダメだ、この二人が揃うと突っ込みどころが倍になって頭がごちゃごちゃしてくる。
だがまずは田辺の誤解を解かなければと口を開くも既に遅かったようで、「ちょっと岡嶋さんどういうことですか!」とテーブルに詰め寄っていく背中が見えた。


「田辺!?なんでここに……」

「お祭りデートです。そしたら岡嶋さんが田中さんからポテトサラダを作ってもらったってとんでもない話を聞いてしまったので、問い詰めに来ました」

「ポテトサラダ!?ちょっと雅功くん、それってどういうことかあたしにも説明して」

「ポテトサラダ……?それよりまずは二人共落ち着け!」


岡嶋と岡嶋の連れの女性、そこに田辺が加わって、なんだかとんでもないことになっている様子。


「……あれって、私が止めに行くんですか?火に油注ぎませんか」


助けを求めるようにちらりとマスターを窺えば


「その時は消化しに行くね!任せてー」


綺麗なウィンクを返された。
諦めたようにため息をついてから再びテーブルを見据えた真帆は、大きく息を吸ったところで意を決して足を踏み出す。