真帆といい島田といい、なぜ見た目に似合わずこんなにも力が強いのか。
痛い痛いと騒いでいたら、島田がようやく力を緩めた。それでも、背中に回した腕は離さない。
至近距離で上目遣いに見つめられ、岡嶋の心臓が跳ねる。


「好きだよ、雅功くん。今までも、これからもずうーっと!」


島田の頬も心なしか上気しているのは、嬉しいからなのか、それとも恥ずかしいからなのか。どっちだろうなと考えながら、岡嶋はそっと身を屈めた。
おでこに唇が当たった瞬間、今度は息を吸うのと一緒に島田の口から「ひぃえっ!?」と謎の声が漏れる。


「は、はず、恥ずかしいから言いたくないって駄々こねたくせに、そういうことするか!」


背中に回していた腕を離した島田は、両手でおでこを押さえ、真っ赤な顔で後ずさる。
顔を赤くする島田などあまり見ることが出来ないので、そのレアさに岡嶋は気分よく笑った。


「さて、じゃあコーヒー飲んで寝る支度でもするか。どうせ泊っていく気なんだろ。あっ、今日こそ俺はソファーで寝るからな」

「そんなの今更じゃん」