これは言うまで許してもらえないか。いやでも恥ずかしさで既に頭が爆発しそうになっている。
けれど今ならば、明日以降の羞恥でのたうち回りたくなる自分へ、全てはアルコールのせいだったと言い訳することが出来る。

最後に飲んだカクテルにやられて酔っていた。だからこそ、普段ならば決して出来ないようなことも出来てしまった。
そういうことにしてしまおうか。だって言わないと終わらないわけだし、だったら全てをアルコールのせいにして……――。

考え過ぎてまたぐるぐるし始めた頭で、岡嶋は口を開くと同時に手を伸ばす。
掴んだ細い手首を引き寄せて、よろけるように胸元に近づいた華奢な体を抱きしめた。


「……今日は、これで勘弁してくれ…………美沙」


ひゅっと勢いよく息を吸う音がしたかと思ったら、一応加減している岡嶋の倍くらいの力で抱きしめ返された。


「いっ!ちょ、いたっ」

「ほんともうそういうとこだよ雅功くん!!他の女の人にそういうことしたら絶対許さないからね!」