「あとね、色んな事に興味があって好奇心旺盛なところも、気になることは片っ端からやってみるから多趣味なところも、それでいて途中で投げ出さないでやり始めたらとことんまでやってみるところも好き」


突然始まった島田からの“好き”攻撃に、徐々に岡嶋の顔が赤く染まっていく。


「ちょっと待て島田!それ以上は――」

「でも一番好きなのは、一途なところ」


遮るように島田が放った言葉に、口を開けた間抜けな顔のまま岡嶋は固まった。


「“一途ってどういうことだ?なんでそう思うんだ”って思ったでしょ」


岡嶋が何か答えるより先に、島田が続けて言う。


「雅功くんは、小さい時からずっとあたしのことを大切にしてくれてたでしょ。そりゃあもう大切にしてくれ過ぎて、自分の中にある恋愛感情を無意識に押し殺すくらいに。それだって、一途でしょ」


辞書になんて書いてあるかは知りませんけどーと、ここに来て島田はおちゃらけた笑みを見せる。


「あたしはね、そんな雅功くんのことがずっとずっと大好きだった。お兄ちゃんとして好きだったのなんて、ほんとに小さい時だけだよ。小学校に上がる頃にはもう、幼馴染みのお兄ちゃんじゃなくて、雅功くんとして好きだった。いつか雅功くんもあたしのこと、ちゃんと好きになってくれたらいいなって思ってた」