「雅功くん、絶対あたしのこと好きなのに、なんかいつまで経っても全然認めようとしないから。そうなると、セオリー的には押してもダメなら引いてみろなんだけど、雅功くんは引いたって効果ないタイプだろうから、じゃあもういっそ、押してもダメならいっそ押し切っちゃおうかなって!」

「……なんだその暴論は」


呆れる岡嶋に、島田は得意げに笑ってみせる。


「でも、ちゃんと効果あったよ。そのおかげで雅功くんはあたしを意識するようになって、自分の気持ちをちゃんと自覚したわけだし」


でしょ?と笑顔で同意を求められ、岡嶋は「それは……!」と言ったところで言葉に詰まる。
そんなことはないなんて否定すれば嘘になるし、かと言ってその通りだと肯定するのは恥ずかしい。ああでも、このまま無言を貫くのも、それはそれで肯定と受け取られそうである。
また頭の中がぐるぐるして来て、考え過ぎて目まで回りそうになってきた岡嶋を見て、島田が可笑しそうに笑った。


「雅功くんのそういう照れ屋なところ、可愛くって好きだよ」

「なっ!!?」


動揺する岡嶋に構わず、島田は更に続ける。