「あの、役に立ちそうなアドバイスとかは出来ないと思いますけど、お話はいくらでも聞きますので」


そう言って笑顔を見せた女性に、岡嶋はしばし迷ってから


「じゃああの……本当に大したことないんですけど、いいですか？」


そう前置きしてから、田辺にしたのと同じ話を女性にも聞いてもらった。
話すのは二回目なので、田辺に話した時よりスムーズに話せるかと思ったが、その時と違って今はアルコールが入っているため、田辺に話した時よりもまとまりのない話になってしまった。

しかも自分の感情もやや多めにはいってしまったので、「なんかモヤモヤするんです……」を話の合間に何度も繰り返していた気もする。
そんなぐだぐだした岡嶋の話が終わると、女性は顎に指を添えて何かを考え込んでいた。


「……すみません、あの、まとまりもない話を永遠と聞かせてしまって」

「え？あ、いえいえそんな！」

「自分でも、なにがこんなに引っかかっているのかわかっていないもので……」