「ちなみに、うさぎがケチャップライスにオムレツが乗ってトマトソースがかかった一番スタンダードなオムライス。んでくまが、トマトソース部分がデミグラスソースになるでしょ。あとりすは、バターライスにクリームソースだね。ちなみに期間限定ってのもあって、それが今回はバターライスに明太クリームソースだって。ほらこの、きつねのやつ」


どれも可愛らしく、そしてとても美味しそうで、思わず真帆は食い入るようにスマートフォンの画面を見つめる。実際真帆だって、お腹は減っているのだ。


「ちなみにセットのスープは、オニオンスープ、トマトスープ、クラムチャウダーから選べるよ。デザートもあるけど見たい?」

「ちょっと待って!見たいけど、そんなに一気に見せられても選べないから」


すっかり食べていく気になっていることに、真帆本人はまだ気がついていない。
けれど田辺は気が付いているので、その顔には楽しそうな笑みが浮かんでいる。


「田中さんみたいに迷える人には、この“お店イチオシ!”をお勧めしておくね」


“これ”と田辺が指差したのは、デミグラスソースとオニオンスープのセット。


「なるほど……」


お店の一押しならば間違いないのだろうが、真帆としては期間限定も気になっていた。