「でも、起きたら一緒のベッドで寝てたんですよね?それで、“責任取って”って言われたんですよね?それって、もう確定じゃないですか。ちなみに、服は着てました?」

「お前じゃないんだから、着てたに決まってるだろ」

「俺だって着てましたよ!」


着ていたとは言っても、この男が身に着けていたのはパンツ一枚だけだったと聞いている。


「言っておくが、俺はちゃんと部屋着まで全部着てたからな」


パンツ一枚身に着けていたくらいで、堂々と着ていたと宣言する田辺に同じレベルだと思われては困るので、ここは一応補足しておく。
会社から徒歩十分ほどのところにあるラーメン屋は、新メニューの噂を聞きつけたのか、外まで人が並んでいた。
だからといって、別の店に変えるなんて選択肢は岡嶋にはないので、最後尾にさっと収まる。もちろん田辺も、その後ろに並んだ。


「ていうかお前は、どこまでついてくる気なんだ」

「ここまで来てそんなこと言います?一緒に食べるでしょそりゃ。岡嶋さんと年下彼女さんの休日の話も、まだ途中ですし」

「これ以上お前に話すことはないけどな」

「いやいや、あるでしょまだいっぱい」