今日は仕事も休みなので、仮に一日中寝ていたところで問題はない。
予定が入っていたかどうかは正直覚えていないが、もうこの際いいだろう。

よいしょと体を横に向け、どうして私はこんなにベッドの端っこに寝ているんだと中央に寄って行くと、何かにぶつかった。
寝相が悪過ぎて枕が動いたか?いやでも頭の下に枕のふかふかさを感じる。布団もちゃんと体を包み込んでいる。ベッドにぬいぐるみもクッションも置いていないので、それらでもない。

はて、これは一体……?

そこにあるものの正体を確かめるため、再度薄目を開けた真帆は、視界に映ったものがなんであるかを認識するのにしばしかかった。
ようやく脳がそれがなんであるかを理解すると、薄くしか開かなかった真帆の目が大きく見開かれ、頭の痛みも忘れて飛び起きた。


「な、なっ、なん!?……っ!?!!」


なぜか隣には、男が寝ていた。それも真冬にパンツ一枚というとんでもない格好で寝ていた。
しかもそれは、見覚えのある男だった。


「……さっむ」


真帆が勢いよく起き上がったせいで布団が捲れ、男は寒いと零して身震いする。
そりゃそうだろう、だって身に着けているものはパンツ一枚だけだ。