「さすが雅功くん」


冷蔵庫を物色し終わったら、今度は常温保存の物が保管されている棚を開ける。
乾麺の類やレトルト食品、インスタント食品を眺め、カップラーメンが幾つもストックしてあるのを見つけて安心する。

こういうものに頼る気持ちも持っていないと、将来一緒になった時に大変だ。
一通りチェックし終わったら、振り返って岡嶋の様子を確認。
先ほど見た時と全く変わらないポーズで、ソファーに座っている。


「コーヒーでも淹れようかなー」


話しかけても返事がなくてつまらないので、島田はコーヒーでも淹れることにする。
残念なことにケトルの中が空っぽだったので、水を入れて沸かすところから。
雅功くんはいる?なんて訊くこともなく、用意するカップは二つ。


「雅功くんは放っておくとブラックしか飲まないから、今回は一緒にカフェオレで」


宣言してからハッとする。そして再度冷蔵庫を開けて牛乳を掴んで、重さを確かめるように持ち上げる。


「……うん、微妙」


二人分のカフェオレには充分なのだが、この後グラタンでも使うことを考えると微妙だ。美味しいグラタンを食べたいと思ったら、ここはカフェオレを我慢した方がよさそうである。