「島田お前焦ってるだろ。ここに来て遂に嘘がバレそうで」

「なんで嘘って決めつける!そういう雅功くんこそ、どうにかして真実から逃げようと必死過ぎ。往生際悪過ぎ!」

「島田の方こそ、勢いだけで真実を捻じ曲げるのはよくないぞ」

「だから、なんで嘘って決めつける!」


気持ちが有り余ったのか、島田は背中にあったクッションを掴んで投げる。
投げるとは言っても岡嶋は隣に座っているので、島田の手がクッションから離れる前に、胴体に思いっきり当たる。
クッションは柔らかい素材なのでさほどダメージはないが、当たった時の衝撃くらいはある。


「ていうかそもそも、ここまで来てもまだわからないか!鈍感にも程があるでしょ。察しろ!!」


床に落ちたクッションを再度掴んで、島田はそれを岡嶋へと振り下ろす。
ぼふっぼふっとなんとも間の抜けた音が鳴る度、岡嶋の頭や顔に軽い衝撃。「やめろ島田」と声を上げつつ腕で顔や頭を庇うが、もちろんそんなことで島田は止まらない。