“した”とか自分の口で言ってしまっている時点で、既に若干の生々しさはあるが、島田の口からしっかりと聞いてしまったら、そのあと正気でいられる気がしない。
まあ自分で思い出しても、正気でいられる気がしないが。


「あっ、そっか、ということはあれだ、雅功くんはあたしとそういうことをしても嫌じゃないってことだから、最初の質問の答えは昨日の夜の時点で貰ってたんだ。そっかそっか」


ひとり納得している様子の島田。それを眺める岡嶋はといえば、これ以上追及されずに済みそうでラッキーと一瞬思ったが、よく考えるとなにもラッキーではないことに気が付く。


「つまり総合的に言うと、これはもう結婚だね」

「ちょっと待て、なんでそうなった」


そして話は振り出しへと戻る。


「家に帰ったら家族に良い報告が出来るよ。お父さんもお母さんもびっくりするだろうなー。お父さんなんて泣いちゃうかも。最近涙腺が緩くなって、CM見ても泣けるって言ってたし」

「待て待て!言うのか!?親に」

「言うでしょ、そりゃ。雅功くんは言わないの?そしたら挨拶行く時どうするの」

「それは、――……って違う、そうじゃない!落ち着け島田、話しは振り出しに戻っただけなんだぞ。早まって先に進めるな」

「あたしはずっと落ち着いてますけど」


むしろ雅功くんが一回落ち着けば?と島田。