予想外に真面目な表情だった。その表情で、意を決したように話し出した。だから何を言うのかと思ったら、それもまた岡嶋の予想の遥か上を行っていた。


「今の流れはそうじゃないだろ!お前が、“嘘ついててごめんなさい”って言うところだろ!」

「それは雅功くんの“願望”」

「がん、ぼ…………」


確かに、その流れを期待した。というかもう、直前の島田の反応からして、その流れで間違いないと思った。
それなのに……――。


「長めのお説教っていうのは、自分に対するお説教?それは好きにしてもらって構わないけど、あたしとしてはこれからのことっていうか、二人の未来について話し合いたいから、それはあとにしてもらえると助かるかな。今日も泊っていっていいなら、そっちを先にしてもらってもいいけど」


島田の声が、どこか遠くに聞こえる。テレビから流れてくる笑い声も、どこか遠くに。
穏やかなはずの休日のお昼、のび始めたラーメンを放置して、岡嶋はソファーに深く深く沈み込んだ。