「そっか、そっか!雅功くんにとって、あたしはあたしか」

「……そりゃそうだろうが。何に喜んでるんだ?」

「妹みたいに思われてるのかと思ってたからさ」

「だから?」


島田がなにゆえそんなに嬉しそうなのかが理解出来ない岡嶋だが、そんなことなどお構いなしに、島田はタックルするように岡嶋の腹に抱き着く。


「どわぁ!!?」

「しょうがないから、もう少しだけ時間をあげるよ。特別だからね」


危うく島田の勢いに負けて後ろに倒れ込みそうになったが、そうすると後頭部を打つことになるので、岡嶋は必死で耐えた。


「危ないだろうが急に!」

「とか言って、ちゃんと受け止めてくれたじゃん」

「あのな、これでもギリギリだったんだよ」


幼い頃から島田は、嬉しいことがあるとよくタックルするように抱き着いてきていたが、子供の頃とは勢いが違う。


「小っちゃい時はさ、この流れで抱っこしてくれたよね」

「そんな目で見てもしないからな」

「じゃあ今は我慢するから、結婚式ではしてね」

「なっ!!はい!?」


ふふっと上機嫌に笑って岡嶋から離れた島田は、そのままソファーまで戻る。
そして呆気にとられる岡嶋を放って、嬉しそうにカフィオレとクッキーを頬張った。