「……そういうことなのか?いや、そんなわけないよな?」


島田が泊りに来たことはこれまでにも何度もあったし、夏場なんて、やめろと言っているのにやたら露出の高い格好で部屋の中をうろちょろされたこともあったが、邪な気持ちを抱いたことは一度もなかった。
確かに、ドキッとしたことは何度かあったが、それは、なんちゅう格好してるんだ!誰か来たらどうするんだ!という意味でのドキッであって、それ以上では断じてない。
そして現在岡嶋の心臓は、爆発するのか?というくらいに脈打っている。


「それはあたしに訊いてる?訊いてるんだとしたら答えるけどいい?」

「いや、待て、違う。これはあれだ、……そう!自分への問いかけだ。だからちょっと待て!答えなくていい」


つまらなそうに唇を尖らせるも、島田は言われた通りに黙る。
そして朝食を再開したのも束の間、「そうだ!」と明るい声を上げて岡嶋を見た。


「確かめてみるっていうのはどう?」

「……確かめる?……って何をだ」

「実際に目で見たら、何か思い出すかもよ」

「……だから何を――っ!!?」


現在島田がパジャマ代わりに着ているTシャツ、これも岡嶋の部屋に常備している島田のものだが、それを捲り上げようとする手に、岡嶋はぎょっとする。