「今日の飲み会は、大学の友達とって言ったか」

「うん、同じ学部のね。……あっ、一人別の学部の人もいたな。友達が呼んだ友達」


つまり、全く知らない人物が一人混じっていたと。
そうか、と返しながら、岡嶋は電気ケトルでお湯を沸かす。その間に準備したマグカップには、誰かさんのために常備してあるスティックのココアを入れておく。


「あっ、ひょっとして男がいたかどうか気になった?」


暖房機の前からソファーへと移動した島田が、ニマニマしながらキッチンにいる岡嶋に問いかける。


「まあ、随分とめかし込んでるみたいだからな。そういう会だったのかと」


沸いたお湯をカップに注ぎながら答える岡嶋だが、言ってしまってから密かに後悔していた。
たかが幼馴染みが、それも向こうから見れば“おじさん”とも呼ばれてしまいそうな年の男が、何を踏み込んだことを言っているのか。
けれど島田は、不快な表情を浮かべることも、口に出して言うこともなく、ただニマニマとよくわからない笑みを浮かべていた。