その話をした時、薫の顔色が変わった。

「沙月も聞いたのか?」

「え?」

なんでそんなに深刻そうな顔をしているんだろう?

「どこまで聞いた?」

「どこまでって中条先輩と佐賀って言う人の名前を教えてもらっただけだよ」

私がそこまで話すと、薫は一つ息を吐いた。

「それならいいんだ。あ、それよりさ、遊園地の件、どうなった?」

なんだか話を逸らされた気もしたが、あまり気にしないことにした。

「宮沢さんも大丈夫って言ってたし、酒井くんも行けるって」