「一番楽しい時じゃない。高校生なんて、気づいたらあっというまに終わっちゃうから、今のうちに楽しんでおいたほうがいいよ」


その日の夜、家に帰ったら、お母さんが帰ってきていた。

「おかえり沙月」

「ただいま。お兄ちゃんは?」

いつもは7時前には家に帰っているお兄ちゃんが今日はいなかった。

「今日は大学のサークルのみんなでご飯食べてくるんだって」

「そうなんだ」

その日はお母さんと2人でご飯を食べた。