「いえ、俺しか迎えに来れるのがいないので」

「お兄ちゃん、早く帰ろう」

結衣が俺の手を掴んできた。

「あぁ、帰ろうな。お世話になりました」

俺は頭を下げて結衣と一緒に家に帰った。

「ただいま。父さん」

俺は父さんの写った写真に向かって言った。

「お兄ちゃん、お腹すいたー」

「今作るから。早く手、洗ってこい」

「はーい」


その時、スマホが鳴った。

「もしもし?壮馬?」

「母さん?どうしたの?」

母さんが連絡をしてくる時は、大体残業になった時だ。

「今日もまた、遅くなりそうなの。悪いんだけど、結衣のことお願いね」

「わかった」

今日は遊園地のことを相談できそうになかった。