ついこの間まで付き合っていた彼氏には、浮気をされ、その前の彼氏には、お金を貢がされた。

姉ちゃんの腕を見ると、アザがあった。

「…そのアザ、どうしたんだよ」

「殴られちゃった」

なぐられ…た…?

「別れる時に、少し揉めちゃって。でも、ちゃんと別れたから」

ソファから起き上がって、なんでもないように笑った。

「なんで…そんなふうに笑ってるんだよ。いつもそうじゃん!変な男に引っかかって、傷つけられて!なんて平気そうな顔して笑ってるんだ!そんなんだから男にいいように利用されるんだろ!」

おれは何かが切れたように、口走っていた。