あの日の帰り道、私は隣を歩いている薫に問い詰めた。

「ちょっとあれ、どういうこと?二人とも戸惑ってたよ」

「いいじゃん。いい機会だし。沙月も、宮沢と遊びに行きたかったんだろ?」

たしかに機会があればそうしたいと思っていた。

でもあれは流石に強引だと思う。

薫は宮沢さんと接点がないのに平気なの?

「でもまだ返事待ちだし、決定したわけじゃないけどな」

私は、薫のコミュニケーション能力の高さに恐怖すら覚えていた。

「それじゃ、またな」