「ちょっと待ってね。今消毒するから」

伊藤先生は、手際よく中城先輩の膝の傷を消毒し、ガーゼを貼った。

「これで大丈夫。あなたはどうしたの?」

伊藤先生が私に尋ねた。

「指を手芸部の活動中に針で刺してしまって」

伊藤先生が私の傷の具合を確認する。

「血はもう止まってるみたいだけど、一応絆創膏を貼りましょう」

伊藤先生が絆創膏を準備している間に中条先輩は、「ありがとうございましたー」と言って出て行った。

「指を出して」

私が指を出すと伊藤先生が絆創膏を貼ってくれた。

「はい。これで大丈夫」