しかし、教室の方向に歩いているのに、私の教室につかないのだ。

どうやら迷ってしまったらしい。

途方に暮れていると、一人の男子生徒生徒が声をかけてきた。

「君、新入生?」

制服のバッチが違うので、上級生だろう。

「はい」

「もしかして、迷った?」

図星をつかれて恥ずかしくなった。

「そうなんです。自分のクラスの場所がわからなくて」

先輩はニコッと笑った。

「この学校広いからね。何組?」