「よろしくお願いします」

その子が頭を下げたので、俺も挨拶した。

「酒井壮馬です。こちらこそよろしくお願いします」

俺が名乗ると、驚いた顔をしていた。

「え?もしかして、薫と同じクラス?」

薫?薫って星野薫のことか?

「同じクラスだけど」

「やっぱり。薫から聞いてたの。隣の席になった面白そうな人がいるって」

星野は俺のことを面白そうなやつだと思ってるのか。

「二人とも仲良くできそうだね。今日からよろしくね」

俺たちの様子を見ていた片瀬さんがクスクス笑いながら言った。