ベッドの横の引き出しの上に花瓶が置かれているのに気づいた。

あの人お見舞いきてたんだ。

まだお姉ちゃんのことが好きなのか、それともただの罪滅ぼしだろうか。

モヤモヤする気持ちになって、私は病室を出た。



家に着く頃にはもうすっかり暗くなっていた。

ドアに手を伸ばしてゆっくりと開けた。

「ただいま」

家の中は暗いままだ。

「お母さん…?」