入学式から何日かたった日の朝。

「ん?」

朝のランニングをしていたら、酒井の姿を見つけた。

「酒井!」

俺が声をかけると、スマホを片手に振り返った。

「おはよう」

酒井のいるところまで歩いて行った。

「ああ、おはよう」

「こんなに早い時間に何してるんだ?」

まだ5時前のこの時間は日の出がまだ登らず、薄暗い。

「日の出の写真を撮ろうと思ってきたんだ。星野の方こそこんなに早く何してるんだ?」