チョコレートケーキを一口食べた宮沢さんは、少し笑ってくれた。

「よかった」

私も一口食べた。

口の中のケーキを飲み込んで、フォークを置いた。

「今日は助けてくれてありがとう」

「いいよ。あれくらい。悪いのはあっちなんだし」

少しそっけない態度をとることもあるけど、本当はいい子なのかもしれない。

「じゃあ、また明日」

「うん。ケーキ奢ってくれてありがとう」

宮沢さんと店の前で別れ、家に帰った。