「そっか。宮沢さん、もう退院できたんだ」

俺は、家で日向と一緒に夏休みの宿題をやっていた。

「会いに行かなくていいのかよ」

「うん。家でゆっくり休みたいだろうし、明日の大会で会えるから」

日向は、麦茶を一口飲んだ後、言った。

「よかったじゃん。あの事故のこと話せて。俺に感謝しろよ」

「うん。ありがとう」

日向が目を丸くして俺を見ていた。

「なんか、今日のお前、素直すぎて気持ち悪い」

「なんだよ。たまには俺だってこうゆう時だってあるよ」

俺はムッとした口調で返した。

「悪かったよ。ところで、今日結衣ちゃんがいないけど、どこ行ったの?」

「結衣なら、さっき星野と秋本が来て、遊びに連れてってくれたよ」

あれから何回か二人が家に遊びに来るようになった。

それで、すっかり結衣が懐いてしまったのだ。

「今は、いつものカフェにいると思うよ」