次の日は、早く目が覚めた。

私が退院できたのは、夏休みに入ってからだった。

お昼を過ぎたころ、インターフォンがなった。

出てみると、月島先生が立っていた。

「お父さんから連絡を受けて、家庭訪問もかねて夏休みの宿題を届けに来たんだ。体調はどう?」

「もう大丈夫です。色々ありがとうございます」

私は家に上がってもらってお茶を出した。

「本当は千紘さんも来たがってたんだけど、仕事が忙しいみたいで」

秋になったら、高校生の芸術コンクールが開催される。

これは、三年に一回開催されるそうだ。

千紘お兄ちゃんは、それで忙しくしてるのかもしれない。