「志穂さんって岡本先輩のお姉さんだったのか」

薫にこの話をしたらかなり驚いていた。

それも当然だ。

岡本先輩は、長距離を中条先輩とほぼ互角に走ることができると有名だ。

「あんなにすごい人のお姉さんだったなんて」

よほど感激しているのか、似たようなことをまた言っている。

私たちが今いるのは図書室だ。

帰る途中で月島先生に呼び止められて、また手伝いをすることになった。

「二人ともごめんね。帰るところだったのに」

「気にしないでください。元々は、薫がぶつかったせいですから」