私は立ち上がり、床に散らばってしまった物を拾っていく。

周りの人たちもチラチラと私の方を気にしている。

「ねぇ」

教室に宮沢さんの声が響いた。

「この子にぶつかってきたのあんたのくせになんで拾ってあげないの?」

威圧感のある声に教室が凍りつくのがわかった。

「私、ちゃんと謝ったじゃん。それでいいでしょ」

宮沢さんはその子を睨むと私の筆記用具を一緒に拾ってくれた。

「あ、ありがとう」

「秋本さんもちゃんといわなきゃダメだよ」