「家で頭から血を流して倒れていたお前を、俺と酒井が見つけて救急車を呼んだんだ。覚えてないか?」

なんとなく気を失う前に誰かが入ってきたのを思い出した。

お母さんに何か話していた。

「お母さん!お母さんは⁈」

あのあとお母さんはどうしたんだろうか?

慌ててベッドから起きた私を千紘お兄ちゃんが抑えた。

「いきなり起きるな。傷にさわるだろ」

私はゆっくりベッドに横になった。

「今、月島が話をしている。事件のことも視野に入れているから父親も呼んで警察が事情聴取をしているところだ」

「お母さん、捕まるの?」

不安になってきた。

「それはまだわからない。ただお前や真緒にしていたことに関しては、罪に問われる可能性がある。精神的な疾患を抱えていた可能性もあるから、絶対とは言えないんだ」