「こんな時にいうのはあれだけど、陸上の選抜メンバーに選ばれた」

沙月は驚いた顔をしていた。

「嘘?ほんとに?」

「うん。夏の大会、出られる」

沙月が俺に抱きついて来た。

「やったあ!おめでとう薫!」

いきなり抱きつかれたので少しよろけた。

「さ、沙月?」

俺はかなり動揺した。

俺の様子に気づいた沙月は、慌てて離れた。

「ご、ごめん…」