不穏な空気が漂っていた。

一体誰の話をしてるんだ?

「私、この子がいたクラスの子から聞いたから名前わかるよ。宮沢菜緒って言うんでしょ?」

宮沢、菜緒?

それって、あの宮沢のことか?

「この間のテストで学年二位だった子じゃん。やっぱ家が厳しかったのかな」

様々憶測が飛び交う中、チャイムが鳴って、担任の先生が入ってきた。

「今日は、月島先生と水野先生が都合で休みのため、国語は自習、美術部の活動は休みだ。それでは、出席を取る」

月島先生と水野先生が休み?二人同時に?

「酒井。酒井は今日来てないのか?」

「さっきまで来てたんですけど。具合が悪いって言って帰りました」