嫌な予感がしたが、酔っていたせいで体に力が入らなかった。

その時、お兄ちゃんが追いかけて来てくれて、引き離してくれたそうだ。

「それで私の体調が良くなるまで、ずっとそばにいてくれた。結局私は寝ちゃって、帰ってくるのは朝になっちゃたんだけど」

あの時、珍しくお兄ちゃんは朝になるまで帰ってこなかった。

「沙月ちゃん、心配してたでしょ?ごめんね、迷惑かけて」

「そんなことない。綾音ちゃんが無事でよかった」

私と綾音ちゃんは、連絡先を交換した。

玄関の方で音がしたため、薫が帰ってきたことに気づいた。