ぴくりと綾音ちゃんの肩が震えた。

「会ってるよ。サークル、同じだから」

綾音ちゃんの声はさっきとは変わって沈んでいた。

「お兄ちゃんと綾音ちゃん高校の時にケンカしたんでしょ?何が原因だったの?」

全ての原因はそこにあるはずだ。

「佑月と薫には、私が話したこと内緒にしてくれる?」

私は深く頷くと、綾音ちゃんはゆっくり話し始めた。


高校に入学した年の夏休みに入る前だった。

お兄ちゃんも綾音ちゃんも、学校では目立つ存在だった。

お兄ちゃんは、陸上部に入り、他の一年とは別格の実力があり、の夏の大会の選抜メンバーに選ばれた。

一方で綾音ちゃんは、学校で噂になるほどの美人だと評判になっていた。