「でも、テストの結果は二位でしたよ?」

「あの母親は、真緒が事故にあってから、菜緒へのあたりが強くなった。中学の時はずっと一位じゃなきゃ許さなかったらしい」

今回は、中学の時より成績が下がったことになるのか。

「でも、たったそれだけで、食事を抜いたり、暴力を振るうなんておかしいです」

「あの母親は少しおかしいんだ。いま助けてやらないと手遅れになる」


ようやく宮沢の家に着いた。

俺たちが車から降りると同時に、宮沢の家から大きな音がした。

俺たちはチャイムも鳴らさずにドアを掴んだ。

幸い、鍵はかかっていなかった。

ドアを開けると、頭から血を流した宮沢が倒れていた。