俺はただ事ではないその様子に、後を追って事情聞いた。

「どうしたんですか?宮沢に何かあったんですか?」

駐車場まで来ると、車の鍵を開けた。

「先生、俺も連れて行ってください!」

「何言ってるんだ。ダメに決まってるだろ!」

そう言うのを無視して車に乗り込んだ。

「早く行かなきゃいけないんですよね?出発して下さい」

先生はしばらく動かなかったが、エンジンをかけた。

信号で待っている時に話を聞いた。

「先生、なんで宮沢の家に向かっているんですか?」

「前に話したの覚えてるか?菜緒の母親は、いい成績を取らないと、虐待を行っていたんだ。菜緒は今日、テストの成績が悪かったからと、家に帰るのを嫌がっていた。テストの結果を見せたら、何かされると思ったんだろう」