家に帰ろうと、靴を履き替えていた時、宮沢を見かけた。

「宮沢」

声をかけたが、聞こえていないのか、素通りされた。

どこか様子がおかしかった。

「酒井!」

水野先生が走ってきた。

「宮沢は、どこに行ったかわかるか?」

とても急いでいるようだった。

「宮沢なら、たった今帰って…」

「わかった!」

そう言うと、走って行ってしまった。