私はカバンを持ってそのまま図書室を飛び出してしまった。


曲がり角で誰かにぶつかった。

「沙月?ってお前、なんで泣いてんの?」

ぶつかったのは、薫だった。

「薫…ひっくっ私…」

我慢できず、私は声をあげて泣いてしまった。

「どうしたんだよ⁈大丈夫か⁈」


私は、薫に連れられて、薫の家に上がらせてもらっていた。

「少しは落ち着いたか?」

「うん。ありがとう…」