千紘さんが帰ったあと、俺は花を買って、ある人物の墓参りにやってきた。

「久しぶり」

俺は花を供えると、しゃがんで手を合わせた。

今日は、俺の中学の時の同級生、杉原詩織の命日だ。

「詩織、俺付き合おうと思ってる人がいるんだ。今日返事をしにいくから、一応言っておこうと思って」

墓参りを終えてから、俺はスマホを取り出した。