俺は伊藤をいじめから助けたことがある。

でもあれは、他にも協力してくれた人たちがいたからだ。

「あれは、俺一人の力じゃない。他の奴らも協力してくれたから、止められたんだ」

「そうだったね。みんなには本当に感謝してる。そうじゃなかったら、私今生きていたかわかんないもん」


職員室に戻ると、水野先生が、まだ残っていた。

「珍しいですね。こんな時間まだ残ってるなんて」

「お前が帰って来るの待ってたんだよ」

そう言うと、パソコンを閉じて、カバンを持った。

「今日お前の家泊めろ。飲むの付き合え」

そんなわけで、俺たち二人は、アパートにやってきた。