各学年から二人ずつ選ばれることになっていた。

夏の大会で結果を出せば、全国大会に出ることができる。

俺はその全国大会にでるために頑張っているのだ。

「俺も選抜メンバーに選ばれるように頑張ってるんだ。見に来てほしい奴がいるからな」

それはもしかして、佐賀先輩だろうか。

退学する前に走れるようになった自分の姿を見せて、安心させたいのかもしれない。

集合の号令がかかり、俺はかけ出した。