「はい。わかりました」

月島は俺に目を向けた。

「ところで水野先生はここで何を?」

「お前のクラスの宮沢菜緒について話していた。顔のガーゼ、お前も気づいただろ」

俺の言葉に深刻そうな顔になった。

「はい。一度、家庭訪問に行ったほうがいいかと」

「その時は俺がいく。何も知らないお前がいくよりも、説得しやすくなると思う」

「わかりました。よろしくお願いします」

伊藤に話をしたあと、俺と月島は二人で保健室を出た。

「佐賀、退学するのか」

「本人の希望だそうです。新しい環境でやり直したいと」