「行ってきます」

私はまだ寝ているお母さんに声をかけて家を出た。

今日からは高校生だというのに全然気分が上がらない。

なんでよりによって、あの人がいる高校なんかに。

とはいえ、自分で選んだのだから文句を言ったって仕方がない。

小さくため息をついて歩き出した。

外は満開の桜が咲き誇っていた。

学校は家から近いため歩いて行ける距離だ。


のんびり歩いても十分間に合うだろう。

桜の前で立ち止まっていると、カシャッとシャッター音が聞こえた。