「降りる駅に着いたね。じゃあまたね」

本当は、先輩ともっと一緒に話したかったが、仕方がない。

走り去っていく先輩の背中を見送った。

「沙月」

後ろから肩を叩かれて振り返った。

「薫。おはよう」

後ろに立っていたのは薫だった。

「誰と話してたの?」

「中条先輩。電車で一緒になったから」

「へー」

なんとなく機嫌が悪そうだ。