ゴールデンウィークが開けた。

電車に乗って学校に向かう途中で、中条先輩を見かけた。

「中条先輩、おはようございます」

私が声をかけると、中条先輩も笑って、「おはよう」と返してくれた。

「先輩も電車通学だったんですか?」

「うん。秋本さんもだったんだ」

自分のことを呼ばれただけで、心臓が跳ねた。

「今日は元気そうでよかったよ」

「先輩のおかげです。ありがとうございました」

電車のアナウンスが私たちの降りる駅の名前を告げた。