「お姉さんがいるんだ」

「うん。でも私が小学生の時に交通事故にあって、今は病院に入院してるの。まだ意識も戻ってない」

「えっと…ごめん。嫌なこと聞いちゃって」

「気にしないで。話したのは私の方だし」

私はなんでもないように言った。


「じゃあ、そろそろ帰るから」

酒井くんと手を繋いだ結衣ちゃんが、手を振っている。

「お姉ちゃん、遊んでくれて、ありがとう」

「うん。またあそぼうね。結衣ちゃん」

私はそのまま、家に帰った。家の中に入ると、なんだか嫌な予感がした。